留学をしたいと考えるとき
ここ数年、日本から海外の大学に留学をする人の人数は減少傾向にあるといいます。
経済協力開発機構(OECD)が発表しているデータを見ても、明らかにここ数年の留学者数の落ち込みの激しさがわかります。
参考>>日本人の海外留学状況(PDF)
なお現在最も多くの留学者数となっている国はアメリカ合衆国で、次いで中国、英国、オーストラリアと続いています。
ただ米国への留学者数は減少傾向にあるのに対し、中国への留学者数は増加する傾向にあるというのが特徴的です。
同じく増加傾向にあるのは台湾や韓国なので、ここ最近の留学傾向は英語圏よりもアジア圏の方が人気となっていると言えます。
大学生の留学者数が減少していることについて、世間的には若者の内向き傾向が関係していると言われているところですが、実際には経済的な事情から留学ができないという人もいるので決め付けをすることはできません。
むしろ「留学をした」という事実が国内に戻ってきたときに就職などによい影響があるというメリットが少なくなってきたということが全体の減少傾向の理由のようにも考えられます。
なぜ留学をするのかを考える
留学といっても方法はさまざまで、本格的に海外の学校に入学をするという方法ばかりでなく、日本の学校に在学をしながら交換留学や編入という形で一時的に海外の学校に入り、戻ってから日本の大学の単位に換算するというような方法もあります。
学校を休学して海外の専門学校などの短期スクールに入るという方法もありますし、そもそも授業のない夏季休暇中に数週間程度の短い語学留学をするというケースもあります。
そうした多様な方法があることを考えると、留学をするときに大事になるのが「何をするために行くのか」という動機です。
かつては「留学=カッコイイ」というイメージが先行していたため、留学をして何をするかというよりもかつて留学をしていたというステータスを得るために行くということも多くなされていました。
ですが留学者数が90年代に入ってから急増したことで、単に留学をしたという事実だけで国内の就職活動で優遇されるということはほぼないと言ってもいいでしょう。
その後の就職活動に生かせる留学にするためには、目的を明確にするとともに実際に留学先に行ったときにどういった活動をするかという計画性と行動力が必要になってきます。
留学はしたけれども思ったような勉強ができなかったという失敗例も決して少なくはないので、これから留学をするときには十分に準備や下調べをしておくことが大切です。
人間的な成長をすることができる留学
ですが数こそ少なくなったものの、留学をして戻ってから日本の大学にはない独自の発想でどんどん仕事をしていく若者も増えてきているのは確実です。
海外留学をすると、周囲には家族も知り合いもいない状態からのスタートになりますから、思うように勉強をしていこうとするときには自立心や自制心、そして前向きな向学心が身につきます。
引っ込み思案な自分を変えるためにあえて頼る人のいない海外に出かけたという度胸のある若い人もいるくらいなので、それまでの自分を大きく成長させるための方法としても留学はとても適しています。